妻からの親権及び慰謝料の主張を退けた事例
- 職業:
- 会社員
- 婚姻年数:
- 15年
- 子供の有無:
- 有り(1人)
- 問題の原因:
- 妻の病気
ご相談内容
離婚調停が不成立となり、妻から離婚訴訟を提起された。調停では妻が親権と慰謝料を強く主張したため合意はできなかった。妻には精神疾患があり、度々入院していた。同居中は主に依頼者が育児をしていた。別居後は依頼者が子どもと同居して育てている。妻は、親権を求めるとともに、依頼者の浮気とDVを主張して慰謝料請求をしている。
一言アドバイス
離婚訴訟は激しい主張の争いになりがちですが、ポイントを絞って主張し、それに沿った証拠を出すことが大事です。親権争いでは、過去の養育実績が結果を左右します。
アドバイス詳細
離婚訴訟から受任しました。離婚自体に争いはなく、争点は①親権、②財産分与、③慰謝料です。結論的には、①親権者は依頼者、②財産分与は適当な金額、③慰謝料なしの内容で和解することができました。
①親権については、同居期間中に依頼者が積極的に家事育児に貢献していたこと、別居後も家事育児を行い問題がないこと、子どもと良好な父子関係を築いていることを主張立証しました。
依頼者は、いわゆる「イクメン」であり、同居期間中の育児の様子が写真やビデオに多く残されていましたので、これらを証拠として提出しました。また、家事も得意であり、妻が病気がちということもあり、家のことはほとんど依頼者が行っていました(この点は妻も認めていました)。
だからこそ、別居してからも、依頼者が第三者に大きく頼らずに家事育児を行うことができましたし、親権者として適格であることをアピールできたといえます。
②財産分与については大きな争いはありませんでした。依頼者は、離婚後の妻の生活保障に配慮して、通常よりも余分に分与する提案を行ったくらいです。
③妻の慰謝料請求には、DVも浮気も何の理由がなく、依頼者は支払いに応じませんでした。精神疾患の影響からか妻には被害妄想的な主張がみられたが、依頼者からは感情的な反論は控えて、淡々と反論したことが裁判官に理解されたと思われます。
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