不倫慰謝料の請求は弁護士に依頼すべきか
慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償金のことを言います。
配偶者が不倫をしていた場合、配偶者だけでなく不倫相手にも慰謝料を請求することが可能です。
では、不倫慰謝料請求を弁護士に依頼したほうが有利に進む、増額できるといったことはあるのでしょうか?
不倫慰謝料の相場ととともに詳しくみていこうと思います。
不倫慰謝料の一般的な相場
不倫慰謝料の相場は100~300万円程度と言われています。
金額の幅が大きいなと感じた方が多いと思います。
理由は、個々の事情で妥当な金額が変わってくるためです。
不倫がきっかけとなり離婚に至ってしまった場合、不倫期間が長い場合などはより大きな精神的苦痛が生じたと言え金額が上がります。
他方で、日本の裁判所は300万円以上の不倫慰謝料を認めるケースはほとんどありません。
ただ、事情により、相場を超える金額を相手が任意に支払うこともあります。
不倫慰謝料請求には証拠が必要
不倫慰謝料を請求するうえでは証拠が必要です。
では、具体的にどういったものが証拠になるのでしょうか?
そもそも法律の世界でいう不倫とは、性交渉を伴っていなければなりません。
専門用語で不貞行為といいます。
2人でデートをした、頻繁に会っていたといった程度では不貞行為といえません。
不貞行為の証拠としては、性交渉を裏付ける映像や音声データのほかに、ホテルに出入りする写真、不倫相手との旅行の領収書などがあります。
こうした証拠を入手するために探偵に依頼する方もいますが、依頼する費用が高額となることも多く(100万円を超えるケースも珍しくない)、費用対効果をよく考えましょう。
明確な証拠が入手できない場合でも、本人が不倫を認めた音声データも証拠となります。
自分でも録音できるので安価で済む利点があります。
とはいえ、録音の状況次第では、客観性がなく内容が信用できないとされることもあるので慎重さが求められます。
重要なことは、1つの証拠だけで判断するのではなく、複数の証拠を見比べて性交渉があったかどうかを判断することです。
不倫慰謝料請求は3年で時効になる
不倫慰謝料請求にをする上で注意すべき点が時効です。
不倫の事実を知った日から3年以内に裁判を起こさないと請求ができなくなります。
3年間というのは皆さんが考えるほど長くはありません。
不倫が原因で喧嘩してもその時は仲直りし、しばらくたって離婚するケースが意外に多くあります。
その時になって不倫相手に慰謝料を請求しようと思っても時効が迫っていることがあるのです。
ですから、3年しかないのだと心がけるようにしてください。
不倫慰謝料請求を自分で行うと…
証拠集めだけでも大変な不倫慰謝料請求ですが、自分で行うとなると不倫相手とのやり取りもしなければなりません。
ここで感情的になり脅迫めいた発言をすると、交渉が進まないばかりか、反対に恐喝罪に問われることもあります。
勢いあまって職場へ押しかけて警察に通報されたケースもありました。その後の請求に困難を伴ったことは容易に想像できますね。
また、相場からかけ離れた金額を請求してスムーズに進まなくなるケースもみかけます。
何よりも不倫の事実と向き合い不倫相手と直接やり取りするのは、多大な精神的苦痛を伴います。
この苦痛と向き合うのが嫌になり諦めてしまう方も多いです。
自分で不倫慰謝料を請求するのは簡単なようで大変なことなのです。
不倫慰謝料請求を弁護士に依頼すると…
弁護士に不倫慰謝料請求を依頼すると、どんなメリットがあるでしょうか?
不倫相手との全てのやり取りは弁護士がすることになります。
自身が矢面に立つ必要がなくなり、精神的苦痛から解放されます。
慰謝料の金額も上限を見据えて請求するので、適切な交渉が可能となります。
相手の資産状況や年収、不倫の実態などを見極めて請求していきます。
こうすることで、引き出せる限度を見極めることができるのです。
また、自身が不倫慰謝料請求をした際、相手が弁護士に依頼する場合があります。
こちらも弁護士に依頼すれば対等に話し合いを進めることができます。
その他にも、不倫慰謝料だけでなく離婚を検討しているのであれば、離婚問題も並行して相談できます。
離婚問題は財産分与や婚姻費用、子どもの親権・養育費など、たくさんの問題と向き合う必要があります。
弁護士に依頼すれば有利に解決できるサポートを得られるのです。
当事務所では不倫慰謝料請求での経験豊富な弁護士が担当しますので、ご心配なくご相談ください。