不倫慰謝料請求の流れと注意点について
配偶者の不倫を発見してしまった場合、あなたはどのような対応を取りますか?
不倫を見なかったことにして婚姻生活を続ける方がいれば、離婚を決意する方もいます。
その中でも、今回は不倫相手に対する慰謝料請求をしたい方のために、慰謝料請求までの流れと注意点を詳しく見ていきます。
不倫慰謝料請求は、どうしても感情的になってしまいがちです。
間違った行動をする事態にならないためにも、以下の流れを参考にしてください。
1、慰謝料請求できる条件が揃っているか確認
不倫の慰謝料請求といっても、条件が揃わなければただの言いがかりになる恐れがあります。
そうならないためにも必要になるものが不倫の証拠です。
簡単に言えば、性交渉があったと推認させる(想像させる)ことができる証拠です。
これが手元にない段階で慰謝料請求するのは非常に危険です。
よくある証拠の入手法には、探偵や興信所に依頼する方法、相手の携帯電話やスマートフォンを覗き見るといった方法です。
しかし、後者についてはプライバシーの問題があり推奨できる行為ではありません。
2、不倫相手の情報を収集する
次に必要になるのが、不倫相手の情報です。
不倫慰謝料は法律的には「不真正連帯債務」といいます。
配偶者と不倫相手の双方に対し、あるいはどちらか一方に対して同じ金額を(上限額を超えない範囲で)請求できる特性があります。
よって、離婚するつもりがなく婚姻関係を継続したい方は不倫相手に請求するのが一般的です。
ここで、不倫の証拠があったとしても、請求先が分からないと話が前に進みません。
不倫相手の情報が必要になってきます。
フルネーム、住所まで分かれば理想的ですが、そこまでの情報を得られない場合は、苗字や下の名前、勤務先などの請求につながる情報を入手しましょう。
また、可能であれば相手の給与額や年収といった支払い能力も調べておくのが良いでしょう。
どうしても情報を入手できない場合は配偶者から直接聞く方法もありますが、言い逃れをされる危険も生じるため、逃げ道がない程度の証拠を入手できた段階で行いましょう。
3、請求額と請求方法を決定する
証拠と相手の情報が集まったら、次は具体的な請求額と請求方法を決めます。
請求額については、一般的な相場である100~300万円の間にすることが多いです。
不倫があったものの婚姻関係は継続する場合が100万円前後、不倫が理由で離婚に至る場合が200~300万円とするのが目安となります。
もちろん、事情次第ではさらに大きい金額を請求するケースもあります。
この場合は不倫の実態、相手の支払い能力などを慎重に検討します。
こうした検討が難しいという方は、法律のプロである弁護士に相談することをおすすめします。
法外な金額を請求したからといって交渉が有利になるわけではなく、ケースバイケースなのです。
4、慰謝料請求をする
金額と請求方法が確定したら、次は実際に請求していくことになります。
相手と直接対面して請求するのか、郵便物を利用して請求するのか、いきなり裁判を起こすのか、いくつかの選択肢があります。
不倫相手と会って交渉するのは難しいので、郵便やメールでやり取りするのが一般的でしょう。
もし、請求に不安を感じるのであれば、このタイミングで弁護士に依頼するのも選択肢の1つです。
弁護士であれば、本人に代わって窓口になれるばかりか、示談書(和解書)の作成もやってくれます。
弁護士名義での請求ということだけで、相手が誠実に対応せざるを得ないと感じさせる効果もあります。
5、示談書(和解書)を作成する
慰謝料の金額の合意ができそうになったら示談書(和解書)を作成します。
今後のトラブルを防止するためです。
和解項目には、二度と不貞行為に及ばないこと、今後配偶者とは接触や連絡を一切しないことなど、相手の行動を制限する項目を設けることもあります。
婚姻関係を継続したい方はこういった項目を入れておくと安心です。
また、不倫の慰謝料は通常一括で支払われますが、相手に資産がない場合には、分割にならざるを得ない時もあります。
そうした場合は、公証役場で「公正証書」を作成しましょう。
公正証書には「強制執行認諾」を入れておくと、支払が怠ったときに即座に財産の差し押さえができるメリットがあります。
作成に自信がない方は弁護士に依頼するのも1つの方法です。
不倫慰謝料請求の際の注意点
不倫慰謝料請求において注意しなければならないのが、3年で時効になってしまう点です。
不倫を知った日から3年経過すると、慰謝料を回収できなくなります。
慎重に迅速に手続きを進めるよう心がけてください。
場合によっては裁判を利用しなければ回収困難なケースもありますので、そういった方は、時効期間も考慮してなるべく早く弁護士に依頼するようにしてください。
当事務所では、不倫慰謝料請求に経験豊富な弁護士が対応しますので、お気軽にお電話ください。